昨年の秋、1本のドキュメンタリー作品が放映された。

当時大阪芸術大学4年の米田愛子さんが実の兄米田武士君を描き、その年のJPPA(日本ポストプロダクション協会)賞を受賞した作品、「兄~おにい~」である。

今度の「ザ!世界仰天ニュース」でも再び取り上げられるというので、調べてみることにした。

出典

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監督の米田愛子とは

 

出身校: 大阪芸術大学短期大学部 メディア芸術学科 専攻: 映像コース

出身地: 奈良県 橿原市

大阪府 東大阪市在住

現在は社会人1年生として大阪にある映像関係の会社に就職したらしい。

 

彼女のドキュメンタリー作品「兄~おにい~」

彼女が制作したドキュメンタリー「兄~おにい~」はNNNドキュメント44年の歴史上初の、監督が現役の学生だという作品。

この作品で米田は「第18回 JPPA AWARDS 2014」でシルバー賞を受賞した。

上で紹介した写真はその時の様子であり、隣に写っている男性が実兄の武士である。

病気を抱えた家族のことについてはあまり公表することを好まない人も多いのだが、彼女はなぜこの作品を撮ろうと思ったのか。

その理由を次のように述べている。

…『私は、筋ジストロフィー患者である兄に対して興味をもっていた。毎週末は友人と出かけ、旅行に行く。アクティブに過ごすことが多い兄。体の苦痛を訴えることはあっても、人生に悲観したような様子や発言は一度も聞いたことがなかった。悲観することはないのか?絶望はないのか?兄を知るべく、私は兄のドキュメンタリーを制作した』

今回の作品ではそうした兄の内面をしっかりと捉えられている作品となっている。

筋ジストロフィーとは

筋ジストロフィーは徐々にその筋力が衰えていく病気であり、子供の頃に発症して20代で亡くなる人も珍しくない。

最近は割と長く生きることが出来る人も増えてきたとはいえ、平均寿命は30歳だと言われる。

ここ最近はだいぶ改善されたとはいえ、まだまだ研究が進んでいない病気である。

治療法は現在のところ確立されているものはなく、進行を遅らせるための投薬によるものが主流だそうだが、遺伝子あるいは遺伝子を導入した細胞を患者に投与することにより、疾患の治療を行う遺伝子治療も注目を浴びている。

「兄~おにい~」を観た感想

現在、動画サイトを探してみると、いくつかのサイトで動画を試聴することができた。

兄の米田武士は小学生の時顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーを発症。

だが、誰もそれを気づくことはなかった。

高校に入って、大好きな体操部に入部。

腕立て伏せすらできなかったが「体力や筋肉がつかないのは自分の甘えだ」と練習する日々を送る。

その後専門学校を卒業後、就職。

一見普通の生活を送っている。

そんな兄に対して、妹は鋭い質問を投げかける。

そんな妹に対して誠実に笑顔で答える武士。

動画は筋ジストロフィーの患者としてではなく、普通の23歳の男として何を考え、今どう生きているのか、そしてこれからどう生きていくのかをしっかりと答えている。

武士の言葉で印象的だったことは

「人の役に立っていると思いこむことを自分が存在している理由に結び付けている。」

ということ。

だからこそ誰に対してもサービス精神旺盛に接することができるだと思う。

こうして一つ一つインタビューを聞いていると

「何だ、普通じゃん」

と思うが、

その笑顔の向こうにある現実がこちらにもひしひしと伝わってきて切なくなった。

ドキュメンタリー作品としてはどうか。

血のつながっている者同士だからこそできる質問、答えられる質問があったと思う。

そこに映しだされていたのは、どこにでもいる普通の仲の良い兄妹の姿。

でもそれはまさに彼女にしか取れない映像だったのではないか。

 

彼の倍以上の年月を生きてきたが、果たしてそれに見合った人生を送ってきたのか疑問に思った。