危険、暗い、汚い・・・。かつて、世界最悪と言われたニューヨークの地下鉄。

その地下鉄を女性も子供も安心して利用できる地下鉄に蘇らせた日本人がいるという。

それが『過去25年間で、最も影響力のあるニューヨーカー100人』に選ばれた日本人、宇田川信学だ。

一体どのような人物であるのか調べてみた。

出典

 

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宇田川信学プロフィール

1964年東京都生まれ。

千葉大学工業意匠学科卒業後、クランブルックアカデミーオブアート、アップルコンピュータ、IDEOを経て、97年シグリッド・モスリンガーと共に、「Antenna design New York」を設立。

米国ID Review賞、IDEA賞など受賞。

 

初めての仕事は自動販売機デザイン

今から30年前のニューヨークの地下鉄は頻繁に犯罪の現場となり、窃盗や強姦、殺人事件など数々の犯罪が起こっていたという。

車両の外や中は落書きで埋め尽くされ、車内にはゴミや汚れた衣類などが散らかっていた。

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宇田川氏が1990年代はじめに手がけたのは切符の自動販売機。

ニューヨークの治安を改善させたデザイン

日本ではすでに当たり前に導入されていた切符の自動販売機だが、まだ当時は導入されていなかった。

アメリカでは機械が壊れていることが多かったため、お金を入れても作動されない場合もあり、敬遠されていたのだ。

そこで宇田川氏は、機械がきちんと作動することを確認してからお金を払うというシステムに変更。

自動販売機導入へとつながった。

これが受け入れられることとなった宇田川氏は地下鉄車両のデザインも依頼されることとなる。

 

地下鉄をデザイン

だが、当時のニューヨークの地下鉄は落書きだらけで、昼間でも危険だと言われていた。

だが、それを大きく変えたのがジュリアーニ市長(在任1994~2001年)。

彼が参考にしたのが、割れ窓理論。

窓ガラスを割れたままにしておくと、その建物は十分に管理されていないと思われ、ごみが捨てられ、やがて地域の環境が悪化し、凶悪な犯罪が多発するようになる、という犯罪理論。軽犯罪を取り締まることで、犯罪全般を抑止できるとされている。

この割れ窓理論を応用し、地下鉄の落書きなどを徹底的に取り締まった結果、殺人・強盗などの犯罪が大幅に減少し、治安回復に劇的な成果をあげたとされている。

その立役者となったのが宇田川氏である。

落書きをさせないような地下鉄作りに取り組んだ。

New_York_Subway

出典

暗さを払しょくするために、壁や天井を白くして明るく見せる。

後で落書きされて修繕しても後が残らないようにでも、まっしろではなく、細かい柄をちりばめておく。

シートは落書きされにくい素材に。

床は、泥足で入られても、汚れが目立たないように黒っぽく。

ひったくりをさせないように座席とドアの間に、手すりに見せかけた防御壁をつくる。

子供が登って遊ばないように、デザインも斜めにしたらしい。

 

宇田川氏のデザインは、ニューヨークの犯罪を85%も減らしたといわれる。

 

まとめ

犯罪を減らすために何をすればよいのか、普通であれば

法を整備する

罪を犯したものを厳罰化

罪を犯さないよう監視する

そういったことを安直に考えてしまいがちだが、宇田川氏は一切しなかった。

とにかく利用者の視点に立ち、「デザイン」という武器で犯罪に立ち向かった。

我々一般人でもできることがあることを再認識させられた気がする。